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Sonnar 5.8cm F1.5 出所不明の珍レンズ
Sonnar 5.8cm F1.5  出所不明の珍レンズ

Sonnar 5.8cmF1.5というスペックのレンズは本家のContax用には作られていないようで、Lマウントのみに見られるものです。
ところでSonnar 5.8cm F1.5というレンズは製造番号が140万番台に集中しているようなのですが、Zeiss HistoricaのPeter Henning氏から、この140万番台でのSonnarはZeissの製造記録には載っていないので偽者だという報告をいただきました。
またSonnar 5.8cm F1.5のLマウントレンズは「Non Leitz Screw Mount Lens」という本でも取り上げられていますが、出自が不明といわれています。それにしても製造本数15本というのですが、番号は飛んでいるようです。

同じNon Leitz本に載っている、もっと凄い名前のレンズとしてLeica Sonnarがあります。左奥のレンズ
見た目はSonnar 5.8cmF1.5と同じ造りで製造番号も140万番台にあることから、一連のレンズと思われます。

ところで、最近この珍レンズが増えて5つになってしまったので、比べてみました。

DSC_0008.jpg

【写真のレンズ】
手前右 細い鏡胴のSonnar 5.8cmF1.5 srl.1407番台 コーティング無し 平行カム
手前左 細い鏡胴のSonnar 5.8cmF1.5 srl. 2877番台 コーティング有り 平行カム
中央 Sonnar 5cm F1.5でsrl.2141番台 コーティング無し 斜めカム
後方右 Sonnar 5.8cmF1.5 srl. 1407番台でコーティング無し 斜めカム
後方左 Leica Sonnar 5.8cmF1.5 srl.1407番台 コーティング有り、斜めカムとなっています。

分類としては細身鏡胴のレンズと口径の大きい鏡胴で前枠が白いレンズ群に分かれます。中央の5cmF1.5レンズも鏡胴の造りは5.8cmの太い鏡胴に似通ってますので、おなじ分類にしましょう。
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【2016/12/31 23:44 】 | camera | コメント(0) | トラックバック(1)
Sonnar 5.8cm F1.5
Sonnar 5.8 F1.5
"幻の"レンズである。一説に15本のみ作られたとされている。(*1)
(*1) Non Leitz LEICA Thread-Mount Lenses by Marc James Small

銘板の表記にはレンズ名がSonnarとあるのみで、通常記入されているCarl Zeiss JenaであるとかOptonなどのメーカーを示す表記が無い。
このレンズの製造番号は140万番台で、(*1)の本に記されているのと同じロットになる。
最近Zeiss研究家からの報告では、1949年発行のZeissの冊子が見つかって、それによると、Zeissの正式な製造記録には乗っていないレンズということだ。それで140万番台のシリアルのレンズは全部贋物だというコメントをいただいた。
でも、見た目はゾナーそっくりのこのレンズは一体何?
Sonnar 5.8F1.5 左 / Sonnar 5 F1.5 右

製造番号が記されている銘板の刻印は銀象嵌の手の込んだものなのである。ちょっと見は手彫りの文字かと思ったが、銀象嵌のにじんだような線の具合が手彫りのように見えたのだった。
Sonnar 5.8F1.5 左 / Sonnar 5 F1.5 右


レンズの鏡胴はアルミ製で本家であるSonnar 5cmF1.5やロシア物であるJupiter-3などと似た作りとなっている。似た作りとはいえ、アルミの素材は他にないくらい良質のもので、古いレンズであるのにアルミにバフがけされた表面の艶は酸化による劣化も少なく良いコンディションを保っている。

Sonnar 5.8F1.5 左 / Sonnar 5 F1.5 右

レンズは5cmF1.5のSonnarと比べれば一目瞭然であるが、鏡胴の長さは5.8cmのほうが長い。丁度焦点距離の差ぐらいの違いがある。前玉と後玉の径も異なり5.8cmのほうが一回り大きいのがわかる。これはまさに5cmレンズの単純なコピーではなく、相似形となる別製のレンズである。
似ているけれど、違う物といった感じだ。

では、なぜ15本しか作られなかったのか??という疑問が出てくるところだ。
まったく、このレンズの出自は謎である。
【2016/12/31 23:32 】 | camera | コメント(0) | トラックバック(1)
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